公開日2022.07.28

【2022年4月~】アスベスト法が改正!リノベ工事費にも影響する?!

【2022年4月~】アスベスト法が改正!リノベ工事費にも影響する?!

2022年4月からアスベストに関する法律の一部(※)が改正されたことをご存知ですか?

 

4月からアスベストの含有調査と結果報告が義務化されました。

「アスベスト有り」とわかると撤去工事が必要になり、工事費が大幅に増える可能性があります。

 

今回はリノベーションするなら知っておきたい、アスベスト法改正についてお話しします!

 

※アスベストに関する法律(大気汚染防止法)は2021年、すでに大きな改正が行われています。22年4月~、実施項目・調査と結果報告の義務化が追加されました。

目次

石綿(アスベスト)って何?

 

アスベストは天然鉱物の一種

人工物のイメージがありますが、実は地球の働きによって生まれた自然のものです。

 

髪の毛よりもずっと細い(1/5000程度)繊維状の鉱物で、綿のような見た目から日本語では“石綿”と呼ばれています。

空中に飛散したものを吸い込むと肺ガンなどの原因となるため、日本では2006年9月から製造・使用が禁止されました。

 

 

危険なのに、なんで使われていたの?

アスベストは強くて丈夫、耐熱性も高く、酸などで変質しにくいといった特性をもつ素材です。

建築材として優れた性質をたくさん備えていて、しかも安価だったため、工場からビル、一般住宅までさまざまな場所で使われました。

危険性が認識される以前は「奇跡の鉱物」と呼ばれるほど、大活躍していた時代があったんです。

 

 

2022年4月~、何が変わったの?

22年4月から下記の改修工事をする場合、アスベストの含有調査と結果報告が義務化されました。

 

<調査・報告が必要な条件>

・工事費が100万円以上の改修工事

または

・床面積が80㎡以上の解体工事

 

上記に該当する場合、アスベストの有無にかかわらず、すべての調査結果を労働基準監督署へ報告します。

 

調査は「100万以上の改修工事」が対象のため、リノベーションをする人なら物件の床面積に関係なく、ほぼ100%該当します。

アスベストの使用が禁止された2006年9月以前に建てられたマンションをリノベーションするなら、ここから下の内容をよく読んでおきましょう!

※2006年9月以降に建てられた物件でも、「アスベスト無し」の報告が必要です。

 

 

“調査”って何するの?

 

ここからは具体的な調査の内容をご紹介します。

アスベスト含有調査は、次の2段階で行われます。

 

 

①「建築物石綿含有建材調査者」などの有資格者による調査

建築物石綿含有建材調査者(※)目視・竣工図面などを確認して、建てられた年代や使われている建材の商品名・型番などからアスベストの有無を調べます。

※正確には、有資格者による調査が義務化されるのは23年10月~です。

 

アスベストの有無がハッキリすれば、ここで調査は終了。

しかし、アスベストが含まれる建材は3000種類以上といわれ、判断が難しい場合もあります。

無しといい切れない場合は「みなし」とされ、②の調査へ進みます(※)

※「みなし(使用の有無が不明)」のまま、撤去工事を行う場合もあります。

 

 

②専門の調査会社による調査

①の調査で「みなし」と判断された場合、専門の調査会社へ調査を依頼します。

物件(建材)の一部を削るなどして成分分析を行い、アスベストの有無を調べます。

 

依頼する会社によっては別途、調査費用が必要になる場合もあります。

 

 

使われているとわかったら?

2回の調査でアスベストが使われているとわかったら、撤去工事が必要になります。

 

アスベストは飛散の危険性にあわせ、1~3のレベルが設定されています(下記の画像参照)。

飛散の危険性が上がるほど、撤去費用も撤去期間も増えてしまいます。

 

アスベストの飛散レベル

 

費用は誰が負担する?

調査費用・撤去費用ともに、施主負担となります

とくにレベル1やレベル2の撤去工事が必要となれば、工費が大幅に増える可能性も。

※補助金制度のある自治体もあります(都内なら新宿区・大田区・目黒区など)。お住まいの自治体へご確認ください。

 

撤去工事費がいくらになるか次第ですが、

・設備のグレードを下げる

・間取りの大幅な変更をやめる

など、プランの見直しが必要になるかもしれません。

撤去工事となった場合のことも考えて、リノベーション会社とプランや予算を相談しておきましょう。

 

 

いくらかかるの?

「70㎡ならだいたい〇万円です」とわかるといいのですが、アスベストの撤去工事は

・アスベストの危険レベル、種類、使用範囲、量

・外に飛散させないための養生方法

・依頼する業者

などの条件によって価格が大きく異なります。

 

一概にいくらといえないため、具体的な費用はリノベーション会社へご相談ください。

 

 

撤去工事後はどうなるの?

今回の法改正で、工事完了後の報告書作成と施主への報告が義務付けられました。

「工事やっておきます!」といわれて終わりにならず、書面で報告を受けられるので、安心できますね。

 

 

実際、何件くらい撤去したの?

自分の物件は対象になるのか、気になりますよね?

 

アスベストが使われている確率は、物件の築年によって大きく異なりますが(1970年代は確率高め)、

4月以降、私たちエフステージ・リノステージであつかった物件82件のうち、実際に撤去工事になったのは36件でした(22年6月末時点)。

割合的には約4割ですが、36件すべてレベル3の撤去工事です。

 

レベル3はアスベストがむき出し状態のレベル1とは違い、石膏ボードなどの建材の中に混ぜ込まれている状態です。

・電動工具を使わずに解体すれば、アスベストをほとんど飛散させることなく撤去できる

・専門業者でなくても撤去可能なため、工期への影響も小さい

など、レベル1や2と比較して負担が少なく撤去が完了します。

 

 

撤去工事になった場合の注意点

 

調査費用・撤去工事費用がかかる以外にも注意点があります。

 

 

①工期が伸びる

レベル1やレベル2の撤去工事となった場合、どうしても工期が伸びてしまいます。

また、対応できる専門業者の数が少なく、業者の順番待ちで工期が伸びる可能性も。

 

工期が伸びると、

・住宅ローンとの二重払い期間が長くなる(賃貸の場合)

・更新日が近い場合、契約更新or仮住まいを探す必要がある(賃貸の場合)

・仮住まいの期間が長くなる(持ち家の場合)

などの影響が…。

リノベーションは引渡しまで半年程度かかるのが一般的ですが、もう少し余裕をもって準備を進められるといいですね。

 

 

②リノベーション工費も増える

リノベーションのメリットの一つは、使えるものはそのまま活かして工費を抑えられることです。

しかし「アスベスト有り」とわかれば、すべて解体・撤去しなければいけません。

残す予定だったものも壊すことになるので、その分の建材費・工事費が増えてしまいます。

 

また「キッチンだけ変えたい」など部分的なリノベーションをする予定の人でも、見つかると撤去工事が必要です。

工事範囲が想定より広がり、工事費が数倍に増える可能性もあります。

 

 

【まとめ】あいまいにする業者には要注意!

4月に始まったばかりのアスベスト含有調査と報告義務。

リノベ会社もどう対応したらスムーズか、手探り状態というのが実情です。

中には、わざと説明をさける業者がいるかもしれません。

 

施主としても追加費用がかかることに抵抗があると思いますが、

・ごまかさず、きちんと説明してくれる会社

・撤去工事の実績がある会社

を選ぶと、万が一の時も安心です。

適切な対処を行い、心から安心して過ごせる住まいを完成させましょう!